夏の夜は怪談めいて
仕事帰り。
深夜というのに、ジャワジャワジィジィ、定禅寺通りの蝉は一向に鳴き止む気配がない。
全国的に異常な暑さ、自然の何かが狂い始めているのだろうか。
その夜、ふと目を覚ました“かわたれ時”。西の空には赤く火星が沈みゆく。
ただならぬ気配を感じつつも、再び眠りに落ちると、夢と現に境なく。。。ひと夜が千夜のようでもあるよな、ないよな、時間の止まる不思議な感覚。
やがてあたりを、纏わりつくように黒い霧が彷徨う。
真昼、コンクリートに焼きつけられたモノの影らが、あまりの濃さに実体となり、ひとり歩きをしているようだ。
寝苦しき幻(笑)
みなみなさま方、暑き日の夜は、御用心あれ。